介護業界の現状として介護人材不足、介護施設不足、介護レベル不足の3つの問題があります。介護人材不足とは、少子高齢化に伴い、介護人材が不足している問題です。今後、日本はますます少子高齢化が加速するといわれており、将来的には4人に1人が75歳以上になると予想されています。若者が少なくなれば当然、介護人材不足も今以上に深刻になるでしょう。介護施設不足とは、介護施設への入所を希望する人に対して、圧倒的に数が足りていない問題です。最近では、政府の取り組みにより、地域によっては空きが発生している介護施設もあるといわれています。しかし、まだまだ入居待機者がいる地域があるのも事実です。介護レベル不足とは、給料や労働条件が仕事と見合わないことにより、事故が起こる問題です。

現状、介護職の給料は全産業の平均よりも低いといわれています。そんな介護職では給料が安いという理由から離職する人も多数います。離職率が高くなるということは、人手不足から本来なら職歴を重ねた介護職員がやるべき業務も職歴の浅い人がやることになります。しかし、職歴の浅い人が負担の大きい業務を行う場合には、適切な運用がされずに事故が発生しやすくなります。またそのような職場では、介護職員の士気の低下を招き、最悪の場合には虐待を引き起こす可能性もあります。介護職は肉体的にも精神的にもハードな業務で事故が許されない仕事でもあり、介護職員の働きやすい環境整備が求められているのです。これらの問題を解決しようと施行されたのが介護保険法であり、まだまだ改善の余地はあります。そう考えると、介護職で働く人はより詳しい介護保険法について知っておいたほうが良いのかもしれません。