介護保険法の問題点

介護保険法は要介護の高齢者を社会全体で支えていく仕組みとして作られました。しかし、少子高齢化に伴い若い世代には経済的、身体的な負担がかかり、介護保険制度の維持に必要な財政が十分でないという問題点があります。2018年8月より、高所得の高齢者に対しては介護費用を3割負担にするという改正がなされていますが、増え続ける需要に対しての対応は難しいという実情があります。財政を逼迫している実情は、介護従事者に対する報酬が不足する原因ともなっています。介護従事者が足りないため、介護施設の数も十分ではなく、施設への入居待ちや施設に入居できたとしても介護者による虐待などの問題があります。

これらの問題点を解決するのに大切なのはやはり、介護保険に使うことのできる財源といえます。財源の確保のためには支出を減らすのではなく財源の確保が重要視されています。例えば現在、40歳から介護保険料の納付が義務となっていますが、その年齢の引き下げたり、介護保険料自体の引き上げを行うことが最も簡単で早い財源の確保と言われています。しかし、子育て世代への経済的な負担の増加は、少子化の増加にも繋がりかねません。さらに介護保険制度のうち、地域密着型サービスにも問題点はあります。介護保険料は全国で一定です。しかし、地域密着型サービスは地域格差が大きく、不公平感がぬぐえないものです。介護保険法に対する問題点は、国全体で考えていかなくてはならない問題で、利用に際しての課題に声をあげる必要があるでしょう。